03「回転」「抵抗」「脱力」  3つの動作を同時に行うのが切り返し

前回は、逆パワーの核心部分である、大腰筋の使い方について説明しました。もっとも大切なところです。

切り返しでは、左足を踏み込むことによって、下半身は正回転をはじめます。そのとき同時に、大腰筋(だいようきん)を使って、肩が開くのを「こらえ」ます。さらに、そのとき、左脇腹から左広背筋、肩、腕まではラクにして脱力し、「伸ばす」を同時に行います。<下半身>、<大腰筋>、<左脇腹から左広背筋、肩、腕>、合計3つの動きを同時に行うのが、ビッグマッスルで打つための最大の秘訣です。

下半身は正方向への「回転」です。しかし、大腰筋のほうでは、インナーマッスルを使って(腹筋も総動員する)、肩が開くのを「こらえ」ます。これは逆方向へチカラを入れる「抵抗」です。こうして2方向のチカラを拮抗させます。しかも、同時に、左の脇腹から広背筋、左肩、左腕、左手首までの一連の筋肉はチカラを抜き、関節もすーっと伸ばします。これは「脱力」です。「回転」「抵抗」「脱力」おたがいに矛盾するようなこれら動作を、すべて一瞬のうちに行うのが切り返しです。

これは一般にいわれている切り返しでの「逆回転」とは異なります。一般にいわれている「逆回転」とは、テイクバックが完了する前にいち早く左足を踏み込むことによって、上半身と下半身を逆回転状態にせよ、というアドバイスです。上半身はまだテイクバックしているのに、いち早く下半身を踏み込むわけです。これはやめてください。アベレージゴルファーがこれを行うと、打ち急ぎの原因になると思います。

上半身と下半身のタイミングのズレを利用するのではありません。静的な状態のまま自らの下半身と大腰筋を使って、内側からパワーを絞り出し、逆方向の2つのチカラを拮抗させるような動きです。ダイナミックな動作やパワフルな動作ではありません。

下半身を先行させ、抵抗と脱力はそれに追随します。

イメージ的な表現で申しわけないのですが、「体の内部で雑巾を絞るような感じ」あるいは「体の内部で切り返す」という感じでしょうか。体の内部というのはインナーマッスルである大腰筋です。切り返しは下半身から行いますが、そのとき同時に、大腰筋でも切り返し動作が行わなけれていなければならないということです。大腰筋を使って、肩を開かない状態をキープしたまま胴体の中でギヤをバックからローに入れ替えるような感じといいましょうか。見ためには静的ですが、大腰筋は必死になって力を入れています。大腰筋での切り返し動作は、2つのチカラが拮抗しているので、外部から動きは見えません。ですから、素人がぼんやり見ても、チカラを入れているのかどうかさえわかりません。

岡本綾子プロが切り返しで一瞬見せる、リキんだような表情、あの感じが参考になると思います。あの瞬間、からだの内部で何が起こっているかを想像していただきたいのです。つまり、切り返しの一瞬、グッとインナーマッスルを駆使して体の内側で踏ん張ります。

テイクバックからフォローまで、ゴルフスウィングの一連の動作のなかで必死にチカラを入れるのは、この切り返しで大腰筋を使ってマイナス方向(バックスウィング方向)にチカラを入れるときだけです。プラス方向(インパクト方向)には、チカラは不要です。プラス方向に使うのは下半身ですが、下半身の力は圧倒的に強いため、力が余っています。それを生かすのは逆パワーです。

逆パワーをマスターしていなければ、プラス方向にチカラを入れることで、下半身がフラフラしたり、フォローで泳いだり、ロクなことはありません。下半身の力は、どんなヘタな人でも十分出ています。それがうまく使えないのは、逆パワーが使えないからです。下半身の力を使うためには、大腰筋を使って、この一カ所だけ、マイナス方向にチカラを入れることが必要です。下半身リードといっても、それは大腰筋が逆パワーを発揮して、はじめてほんとうの意味で下半身リードになります。

ゴルフスウィングはリラックスせよとよくいわれますが、全身をゆるゆるにしていては打てるはずがありません。マイナス方向にチカラを入れることで、プラス方向のチカラと拮抗するから、切り返しでは緊張感のような空気が漂い、その拮抗によって土台ができるから、上体はリラックスできるのです。
で、3番めの要素として、土台の上でおこなう上体の脱力も重要です。上体が脱力しないと、結局のところ肩の遅れはつくれません。上体にちょっとでも力が入ると、上体の筋肉が硬直して肩は前に出てしまいます。ですから、完全な脱力が肩の遅れを生むわけです。

これら3つの動作を同時におこなうことが必要です。

切り返しのほんの一瞬の切り返し動作はスウィングのすべてともいえる長~い一瞬です。その短い時間に、ゴルフスウィングの本質を凝縮した3つの動作を、外見的には静的な状態のまま体の内部でおこなうというのが逆パワーです。これがうまくできてはじめて、(1)下半身リードで(2)肩が遅れた形で、(3)手が遅れてくる・・・というスウィングになります。

“03「回転」「抵抗」「脱力」  3つの動作を同時に行うのが切り返し” への1件の返信

  1. 明日はゴルフスクールに行ってきます。
    この前のラウンドで10回もバンカーに入りました。最初はなかなかバンカーから出ませんでしたが、だんだん慣れてくるんですかね?最後の方はピンに絡むくらい一回で脱出できるようになりました。逆パワーを使うとヘッドが走り、手を使わずに脱出することができました!ありがとうございます。

    逆パワーの源はやはり体幹ですね、毎日40回ほどスクワッドをすることにしました。最初はきついですが今は、少し楽になってきました。
    そういえば、秋葉のアクティブゴルフガーデンでアンチパワーのレッスンをするそうですね。やはり直接教えてもらうのがいいですね。来月に予約したので今からわくわくしています。

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