05切り返し拮抗ドリルの解説と  若干のヒントなど

●体幹に力を入れながら上体の力を抜くことをセットで覚える。

 

切り返し拮抗ドリルでは、3つの動作のうち「抵抗=逆回転」がむずかしいと思いますが、頑張ってください。これが最も重要な動きであり、苦労する価値が十分にあると思います。

左足を踏み込むと同時に、肩が開かないように体幹の筋肉を使って「こらえる」わけですが、そこに左サイドを脱力して「伸ばす」動きをプラスします。つまり、切り返しでは、「こらえる」と「伸ばす」というふたつの動作が複合した動きを行います。「伸ばす」ためには、力を抜かなければならないのです。

左脇腹から左の広背筋、左肩、左腕、左手へとつづく連続した左サイドの筋肉をリラックスさせてスーッと「伸ばし」ます。そして、筋肉を伸ばしたついでに、関節も一緒に柔らかく伸ばします。これがゴルフスウィングで重要です。グリップの力を抜いて、ゆるゆるに握るのではありません。グリップは適度な力でしっかり握っておかなければなりません。全身をリラックスさせてラクにするのでもありません。それだと、コンニャク打法になってしまいます。ダウンスウィングの直前、左サイドの各関節を伸ばすことによってはじめて、ギアがリバースから1速に入れ替わり、下半身によって引っ張られるのに対応できる体制が、上半身の側で整います。

ところで、ゴルフではリラックスすることの大切さが強調されます。力の入れ方や入れるところが知りたいと思っていても、レッスン書は「力を入れるな」というアドバイスを耳にタコができるほどくり返します。が、「力を入れるな」というのは誤解を招くアドバイスではないかという気がします。ここぞというとき何がなんでも飛ばそうとしてリキむために悲惨な結果を招くことは、ゴルファーなら誰でも経験しています。しかし、だからといってどこにも力を入れない「コンニャク打法」がいいということにはなりません。

美しいフォームのかげに隠れた見えないところでダイナミックに力を込めているのがゴルフスウィングです。そうしなければ、あれほどドライバーは飛びません。あれほどダイナミックなタイガー・ウッズが、どこにも力を入れずにスウィングしているはずがないと思いませんか。

従来のレッスン書では、アドレスでリラックスせよと教えますが、それだけでは力を抜くというだけです。間違ったところには力を入れるな、正しいところに力を入れよ、というのが正しいアドバイスでしょう。ただし、間違ったところとはどこなのか、正しい力はどのように入れるのかをきちんと説明したメソッドは、いまだかつてありませんでした。それを本メソッドが詳細に解説しているわけです。

「体幹の筋肉を使った逆回転」によるねじりの動作と、リラックスして脱力することは矛盾します。矛盾するふたつの動作を両立するためには、上半身では力を抜いて、体幹では力を入れます。体幹の筋肉はONですが、上体はOFFであり、2つを使い分けるのです。広背筋や左肩のほうではスーッと力を抜いて、下のほうの大腰筋はグッグッと力を入れるのです。

部分によってONとOFFを使い分けるのが正解です。使う筋肉と休む筋肉を確認して、何度もドリルをやって記憶します。ただ、大腰筋をきちんと意識するのはむずかしいので、腹筋も動員して肩がひらくのを「こらえ」てもいいです。結局、ゴルフスウィングの切り返しで力を入れるのは、体幹です。そこに力を入れて、ゴム板のねじりがほどけるのを防ぐようにがんばるわけです。

 

●実感レベルでいうと、けっこう不快感あり。

 

「切り返し拮抗ドリル」は、むずかしい動作です。下半身の動きと上体の動きが逆なので、不可能と感じる方もおられるでしょう。とはいえ、これを必死に練習してください。

下半身と上半身を逆方向に「ねじる」のを体幹でやるのは不自然というか、体に無理のかかるものです。胴体が強烈にねじられるのは、気持ちのいいものではありません。苦しい動きだからこそ、普通のゴルファーはドサクサにまぎれて素早く切り返しを行ってしまうのでしょう。つまり、知らないうちに「ねじり」をマスターしていたというようなラッキーな出来事は起こりにくいと思われます。いいかえると、気持よく振っているだけでは、自然にマスターしにくい動作だといえます。

私の場合、脇腹から内蔵がひきつるように痛く、腸ねん転になりそうな気がします。大腰筋は胴体の中を貫通しており、腸の配置にかかわっていると思います。大腰筋をこのように「逆に」力を入れるのは、普段の生活ではやる機会がほとんどないのだと思います。トレーニングを3カ月ほどつづければ、徐々に筋肉が付いてきて、少しずつラクになってくるでしょう。慣れてくれば、素早くできるようになると思います。

切り返しの練習としては、クラブヘッドを他人に持ってもらってダウンスウィングを始動するドリルがあります。それもとても有効ですが、固定されたクラブヘッドのドリルでは、下半身は正方向(インパクト方向)に引っ張る力の入れ方です。それをやったとき、「逆に使うこと」にハッと気づく人もいると思います。肝心なのは、逆方向に力を入れることです。それは下半身ではできません。体幹でおこなうのです。逆方向に力を入れることで、大腰筋はクラブを固定する側の役割を演じます。つまり、気づきは、正方向に踏み込みながら、クラブを固定する第三者の手の働きを体幹で行うということです。

“05切り返し拮抗ドリルの解説と  若干のヒントなど” への1件の返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。